オーケストレーションコマースとは?商品と売り場をつなぎ、流通を広げる新しいECの仕組み

オーケストレーションコマースとは、作り手の商品と、さまざまな事業者の売り場をつなぎ、販売から決済・売上の分配までをひとつの仕組みで動かす売り方です。意味、従来のECとの違い、始め方を解説します。

オーケストレーションコマース(Orchestration Commerce)とは、作り手の商品と、さまざまな事業者の売り場をつなぎ、販売から決済・売上の分配までをひとつの仕組みで動かす売り方です。商品を持つ事業者と、売り場や顧客を持つ事業者が、それぞれの強みを持ち寄ってひとつの流通をつくります。ECportは、このオーケストレーションコマースを支える基盤(オーケストレーションコマースOS)です。

この記事では、オーケストレーションコマースの意味と、自社ECやECモール、委託販売との違い、始め方を解説します。

オーケストレーションコマースとは

「オーケストレーション」は、オーケストラの指揮者が多くの楽器をまとめてひとつの演奏にすることから来た言葉です。ITの分野では、複数のシステムや作業を、全体の流れに沿って組み合わせて動かすことを指します。

オーケストレーションコマースでは、組み合わせるのはシステムではなく事業者です。

  • 良い商品をつくっているが、売り場や集客が足りない作り手
  • 顧客や場所はあるが、売る商品が足りない旅館・メディア・ショップ
  • 地域や業界の事業者をまとめたい自治体・地域商社・企業

こうした事業者が、商品・売り場・顧客・紹介を持ち寄り、ひとつの仕組みの上で一緒に売ります。1社だけで「商品をつくる・売り場をつくる・集客する・海外に届ける」をすべて抱えるのではなく、得意な役割を分け合うのが特徴です。

3つの役割

ECportでは、オーケストレーションコマースに参加する事業者の役割を、次の3つに分けています。1つの事業者が複数の役割を兼ねることもできます。

役割 持っているもの すること 受け取るもの
サプライヤー 商品 商品を登録し、注文が入ったら発送する 商品の売上
ビルダー 売り場・顧客 自社の販売サイトやセレクトショップ、ECモールに、承認を得た商品を並べて紹介する 販売の取り分
コネクター 人とのつながり 事業者どうしを紹介し、連携のきっかけをつくる 紹介の報酬

たとえば、工芸品の作り手(サプライヤー)の商品を、旅館が運営する販売サイト(ビルダー)に並べ、2社を引き合わせた地域の支援者(コネクター)にも報酬が入る、という形です。

従来の売り方との違い

売り方 在庫と発送 売り場 売上の分け方
自社EC 自社 自社サイトだけ 自社がすべて受け取る
ECモールへの出店 自社 モールの中の自社ページ モールに出店料・手数料を払う
委託販売 売り場に預けることが多い 預けた先の売り場 売り場が売上を受け取り、後で精算する
ドロップシッピング 仕入れ先 販売する側のサイト 販売する側が仕入れて売り、差額を得る
オーケストレーションコマース 商品を持つ事業者(サプライヤー) 自社サイトと、つながった複数の売り場 注文ごとに、各事業者の取り分を自動で分ける

大きな違いは3つあります。

  1. 在庫を預けない:在庫と発送は商品を持つ事業者が管理したまま、複数の売り場に商品を並べられます。
  2. 売り場が1つに限られない:自社サイトに加え、相性のよい他社の売り場に、同じ商品情報をそのまま並べられます。
  3. お金の流れが最初から決まっている:注文が入るたびに、売上と手数料が決めた条件で各事業者に分けられ、後から手作業で精算する必要がありません。

ECportの連携販売では、商品の売買は商品を提供する事業者(サプライヤー)と購入者の間で成立し、売り場を運営する事業者(ビルダー)は売り場づくりや商品の紹介を担います。在庫を預ける委託販売や、仕入れて売るドロップシッピングとは仕組みが異なります。詳しくは連携販売の仕組みをご覧ください。

「決済オーケストレーション」「コンポーザブルコマース」との違い

似た言葉に「決済オーケストレーション」や「コンポーザブルコマース」があります。

  • 決済オーケストレーション:複数の決済サービスをまとめて管理し、取引ごとに最適な決済手段に振り分ける仕組みです。対象は決済のシステムです。
  • コンポーザブルコマース:カート・在庫・検索などの機能を部品として組み合わせ、自社に合ったECシステムを組み立てる考え方です。対象はシステムの作り方です。
  • オーケストレーションコマース:商品を持つ事業者と、売り場や顧客を持つ事業者を組み合わせ、一緒に売る仕組みです。対象は事業者どうしのつながりと、そのお金の流れです。

オーケストレーションコマースでできること

  • 作り手が、自社の外に売り場を増やす:自社サイトで売りながら、旅館の売店サイト、セレクトショップ、メディアの通販ページなどにも商品を並べられます。
  • 在庫を持たずに売り場をひらく:ホテル・旅館、メディア、クリエイターなどが、作り手の商品を集めてセレクトショップや市場を運営できます。
  • 地域や業界のECモールをつくる:自治体や地域商社、企業が、地域の事業者を集めたECモールをひらけます。
  • 海外にも届ける:販売サイトを多言語で表示し、海外のお客さまへの販売にも対応して、国内外へ販売を広げられます。

仕組みを支える4つの要素

  1. 商品情報を一度整える:商品名・説明・画像・価格を一度登録すれば、複数の売り場で同じ情報を使えます。
  2. 連携の申請と承認:売り場を運営する事業者が商品の掲載を申請し、商品を持つ事業者が承認した商品だけが並びます。無断で他社の売り場に載ることはありません。
  3. 決済と分配を自動にする:購入者の支払いから、各事業者の取り分と手数料を注文ごとに自動で計算し、それぞれの口座へ届けます。
  4. 発送は商品を持つ事業者から:どの売り場で売れても、注文は商品を持つ事業者に届き、そこから購入者へ発送します。

ECportで始める手順

  1. ECportに無料で登録する(月額0円のプランから始められます)
  2. 自社の役割に合わせて準備する
    • 商品を売りたい場合:商品を登録し、売上の受け取り口座を設定する
    • 売り場をつくりたい場合:販売サイトをつくり、並べたい商品を探して連携を申請する
  3. 連携の条件(販売手数料〔取り分〕・発送など)を確認し、承認された商品から販売を始める(価格は商品を持つ事業者が決め、どの売り場でも同じです)
  4. 自社サイトと連携先の売り場の注文・売上を、ひとつの管理画面で確認する

よくある質問

オーケストレーションコマースは委託販売と同じですか?

違います。委託販売は、商品を売り場に預けて販売してもらうのが一般的です。オーケストレーションコマースでは在庫を預けず、商品を持つ事業者が在庫と発送を管理したまま、複数の売り場に商品を並べます。売上と手数料は注文ごとに自動で分けられます。

小さな事業者でも使えますか?

使えます。商品が少ない作り手でも、他社の売り場に並べることで、自社だけでは届かない顧客に出会えます。売り場を運営する側も、在庫を持たずに品ぞろえを増やせます。

費用はかかりますか?

ECportは月額0円のプランから始められます。連携して販売した場合の手数料や、有料プランの内容は料金プランのページで確認できます。

海外にも販売できますか?

できます。販売サイトを多言語で表示でき、海外のお客さまへの販売にも対応しています。詳しくは海外販売のページをご覧ください。

まとめ

  • オーケストレーションコマースとは、商品を持つ事業者と売り場を持つ事業者をつなぎ、販売から決済・売上の分配までをひとつの仕組みで動かす売り方です。
  • 在庫を預けず、複数の売り場に商品を並べられ、お金の流れも注文ごとに自動で分けられます。
  • 1社ですべてを抱えるのではなく、得意な役割を分け合うことで、流通そのものを広げられます。

ECportは、このオーケストレーションコマースを支えるOSです。自社EC、セレクトショップやECモールの運営、他社との連携販売、海外販売を、ひとつの仕組みで始められます。

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